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第十九回漢文翻訳練習「数詞の使い方」

第十九回漢文翻訳練習:漢文の数詞の使い方

 こんにちは。

 

 造言主です。

 

 今日は、漢文翻訳練習の第十九回目。「一」「二」「三」などの、数を表す言葉「数詞」の使い方を学んでいきますよ。

名詞を修飾する使い方

 まずは定番。

 

 「一つの〜」「二人の〜」などのような、名詞の前において名詞の数を表す使い方を学びましょう。

 

 日本語や現代中国語では、「一」「二」などの数詞を名詞の前において使う場合、「一本の鉛筆」とか「二人の男」「三軒の家」とかというように、「本」「人」「軒」などの「数量詞」とセットで使うことになります。数量詞とは、ものを数える時の単位のことですね。「本」「人」「軒」「両」「匹」「頭」など、物毎に決まっています。

 

 ところが漢文の場合、数詞は名詞の直前に置けばいいだけです。

 

例:

筆…一本の筆。
男…二人の男。
家…三軒の家。

 

 単純で助かりますね(笑)。稀に数量詞らしきものが、数詞と名詞の間に来ることもありますが、滅多にありませんのでまず気にしなくて大丈夫だと思います。

副詞として使う数詞

 さて、問題はここからです。

 

 漢文では、数詞を動作の回数を表す「副詞」として使うこともあるのです。副詞なので、置く場所は動詞の直前となります。

 

例:

挑之、敗。
訳:私は七回これに挑んで、三回勝って四回負けた。

 

往日本、往台湾、未嘗往中国。
訳:彼は五回日本に行き、九回台湾に行ったが、まだ中国へは行ったことがない。

 

 

 また、動作の回数を表す数詞としては、「二」ではなく「再」を使うので要注意です。
例:

告之、不聴。告、尚不聴。告、初聴而許之。
訳:一回これに告げても、聞き入れない。二回告げても、なお聞き入れない。三回告げて、初めて聞きいれてこれを許した。

数詞を副詞として使う場合の訓読

 漢文で、数詞を副詞として用いている場合の訓み方について説明します。

 

 漢文訓読では、副詞的に使われた数詞は「数字+たび」と訓読します。

 

例:

一→ひと-たび。
再→ふた-たび。
三→み-たび。
四→よ-たび。
五→いつ-たび。
六→む-たび。
七→なな-たび。
八→や-たび。
九→ここの-たび。

 

 

 さて、ここで一つ面白い発見がありますね!

 

 ずばり、「再」の「再[ふた]たび」です。

 

 現代日本語の「再び」って、多分この「ふた-たび=二回」という意味が語源だったんでしょうね。

 

 当ブログでは、なかなか漢文訓読にまで手を回せていませんが、漢文訓読語はこのように、なかなか奥深い言語なのですよ…

練習問題

練習問題1:次の漢文を日本語に翻訳してみよう。

(1)七転八倒不足恐。我七転、則八起。我八倒、則九立。
(2)一問之、不答。再問之、尚不答。三問、初答之。
(3)我見二女於道。一頗美麗、一甚醜悪。
(4)八岐大蛇、八首一尾、性頗好酒。

語釈:@〜不足恐…〜は恐るるに足りない。 A〜、則…→〜れば、すなわち…。 B初…初めて。ようやく。 C八岐大蛇…やまたのおろち。日本神話の、首が八つある巨大な蛇の化けもの。

 

練習問題2:次の日本語を漢文に翻訳してみよう。

(1)私は家で九匹の犬・三匹の猫を養っている。
(2)二回見てこれを理解しないなら、お前はすなわち愚か者だ!
(3)八回考えて、ようやくこれを決めた。

語釈:@家で〜を養う…目的語が長いので、ここでは「家で」を動詞の前に置こう。 A理解する…解。 B〜[仮定]、すなわち…〜、則…。「則」は副詞。 Cようやく…初。

 今日の漢文翻訳練習はここまでです。

 

 みなさんどうも、お疲れさまでした。

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