動詞述語文
動詞述語文とは、「我笑」「我見山」「我授妻宝」のような、動詞を述語に持つ文のことです。
漢文の動詞述語文には、基本的に以下三つのような文型があります。
- ①「甲-動詞。」…甲は動詞する。
- ②「甲-動詞-乙。」…甲は乙を/乙に動詞する。
- ③「甲-動詞-乙-丙。」…甲は乙を丙に/乙に丙を動詞する。
当サイトでは、第三回でやりましたね。覚えていますか?以下、詳しい説明に入っていきますよ。まずは例文です。
例文
以下例文を挙げていきます。赤字が動詞です。
一:我怒、子逃。
訳:私は怒り、子は逃げた。
二:我責子、子怨之。
訳:私は子を責めると、子はこのことを怨んだ。
三:我与子財、授友智。
訳:私は子に財産を与え、友に智恵を授けた。
一の例文は、文型①「甲‐動詞。」の例、二の例文は、文型②「甲‐動詞‐乙」の例、三は、文型③「甲‐動詞‐乙‐丙」の例ですね。
このように、漢文の動詞には、①直後に名詞を0個取る動詞、②直後に名詞を1個取る動詞、③直後に名詞を2個取る動詞、の三種類ががあります。
そして、この「動詞の直後におかれる名詞」というのが、漢文における「目的語」です。
よく使われる言葉で表せば、①のような動詞は「自動詞」、②・③のような動詞は「他動詞」です。
そして③のような、目的語を複数取る動詞は、しばしば「授与動詞」と呼ばれます。授与動詞とは、「与える・授ける・伝える・告げる・教える・命令する」のような、「誰かに何かを(言葉でなり物理的になり様々な形で)与える」動詞のことです。
動詞述語文の文型三つと、動詞の種類三つは、漢文で動詞述語文を作って行く上で重要な知識ですので、覚えておきましょう。
まとめ
漢文の動詞の種類
- ①自動詞…直後に名詞を置けないもの。
- ②他動詞…直後に名詞を一つ置くもの。
- ③授与動詞…直後に名詞を二つ置くもの。
漢文の動詞述語文の文型:
- ①甲‐自動詞。
- ②甲‐他動詞‐乙。
- ③甲‐授与動詞‐乙‐丙。
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