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第二十二回漢文翻訳練習:使役を表す文

第二十二回漢文翻訳練習:使役文

 二週間ぶりです。造言主です。

 

 最近、仕事上のストレスでネトゲに耽ったりふて寝してたりで更新できてませんでした。

 

 六月頃まではなかなか本調子に戻れないかもですが、気長にお付き合いくだされば幸いです。

 

 今日は第二十二回漢文翻訳練習。漢文の「使役文」を勉強します。

使役の文

 さて、弁明はここまでにして、早速本題に入りましょう。

 

 日本語には、「甲は乙に動詞させる」というような、使役の文章がありますが、これは漢文にもあります。

 

 漢文の使役文は、「甲+使+乙+(副詞句など)+動詞」という文型になります。「甲は乙をして動詞せしむ」=「甲は乙に動詞させる」の意ですね。

 

 まぁ要は、「使」以降は「乙」を主語にした普通の文を入れればいいわけですよ。

 

例:

普通の文:我憎祖国。
訳:私は祖国を憎んでいる。

 

使役文:天使我憎祖国
訳:天は私に祖国を憎ませる

 

普通の文:子常読書於図書館。
訳:子供はいつも図書館で書物を読む。

 

使役文:親使子常読書於図書館
訳:親は子供にいつも図書館で書物を読ませる

 

 簡単ですね。漢文って基本、文法はとても簡単です。文字の順番の問題ですからね、漢文の文法なんて。

 

注意@:名詞述語文の場合

 ところで、使役文に限らないことですが、名詞述語文が名詞句として文に組み込まれる場合[当ブログでは「句化」と言ってましたね。第十二回参照。]は注意が必要です。

 

例:

普通の文:我王於此国。
句化した時→我為王於此国

 

普通の文:我日本人也。
句化した時→我為日本人

 

 要は、句化した時は「為」という動詞を使った文型にする、というのが、当ブログの方針です。

 

 「甲+為+乙」は「甲は乙である」という意味です。「為〜」は、漢文の「〜である」という意味を表す動詞です。

 

 普段は「甲は乙である」と言いたい時、漢文では「甲、乙(也)」で済むのですが、句化した時は「甲為乙」という形で動詞「為」を使う文型(文末に「也」の字は不要です。)に変換するわけですよ、当ブログの方針としては。

 

 どうしてこんな面倒な方針を立てたかというと、名詞述語文の句化って、私、見たことないんですよね…。

 

 だからとりあえず、文法的にまず間違いないと断言できる「為」という動詞を用いた文型を採用することにしているのですよ。

 

名詞述語文が組み込まれている文の例
例@

名詞述語文:我王於此国。
→句化:我為王於此国
訳:私はこの国において王である

 

使役文に組み込む:汝使我為王於此国
訳:お前は私をこの国において王であらしめた(この国の王にした、という意味ですね、要は)。

 

普通の文に組み込む::民不喜我為王於此国

 

例A

名詞述語文:我日本人也。
→句化:我為日本人
訳:私は日本人だ。

 

使役文に:日本語使我為日本人
訳:日本語が私を日本人たらしめている。

 

普通の文に:人不信我為日本人
訳:人は私が日本人であることを信じない。

注意A:「使」以外の使役の動詞

 高校行った人は高校でも習った記憶あると思いますが、漢文には「使」以外にも、様々な「使役動詞」なるものが存在します。

 

 使役動詞とは、「〜させる」という意味を表す動詞ですね。

 

 当ブログではとりあえず、「使」を純粋に「〜させる」という意味で使い、それ以外は、以下のような感じ使うことにしています。

@教:教えて〜させる、指導して〜させる。(=〜することを教える)
A命:命令して〜させる(=〜することを命令する)
B令:命令して〜させる(=〜することを命令する)
C遣:派遣して〜させる

 

例文:

@先生教我書字。
訳:先生は私に教えて字を書かせた。

 

A王命我往日本。
訳:王は私に命令して日本に行かせた。

 

B王令我往日本。
訳:王は私に命令して日本に行かせた。

 

C王遣我送書日本。
訳:王は私を派遣して書を日本に送らせた。

練習問題;

練習問題1:次の漢文を日本語にしてみよう。

(1)王遣人習医学。
(2)男教其子習英語。
(3)天使我失望。
(4)神使我為人。
(5)請令我往日本。
(6)王命将軍討不服之民。

語釈:請〜…どうか〜てください 不服之民…まつろわぬ民。従わない民。

 

練習問題2:次の日本語を漢文にしてみよう。

(1)漢字が中国語を中国語たらしめている。
(2)私は友に本を買わせた。
(3)王は将軍に命じて敵を討たせる。
(4)王は将軍を遣わして他国を征服させた。

 今日の勉強はここまでです。

 

 おつかれさまでした。

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