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文法第十一練習解答

文法第十一練習解答

 みなさん、かなりお久しぶりです。

 

 今回は、文法第十一の練習問題の解答を示したいと思います。

練習問題確認

 まずは練習問題の確認をしましょう。練習問題は、以下の通りでした。

 

練習問題1:次の疑問倒置を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)  今無一人帰我誰与帰。
(2) 嗚呼罪人我当何以罰之。
(3)  汝何自知之。
(4) 嗚呼今日聖人安在。

 

練習問題2:次の書き下し文を、疑問倒置を起こした漢文に復元してみよう。

(1) 嗚呼我に友無し、誰と此の歓びを共にせん。 〜を共にす[他動詞]
(2) 汝能く何をか為す。
(3) 王 何れの子をか以て王と為さんと欲する。
(4) 古王の墳[はか] 焉[いづ]くにか在る。

 

練習問題3:次の疑問副詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1) 汝安不我告其事。
(2) 至今我何不之聞。
(3) 我率兵百人而今一人帰焉。我何顔見王也。 率…率[ひき]ゐる 見…見[まみ]ゆ。
(4) 嗚呼我何時得娶彼女。 娶…娶[めと]る。 彼女…彼の女。
(5) 愚王豈聞讒而不之信也。 讒[ざん]…讒言。告げ口。
(6) 汝何為怨祖国。
(7) 王何意常与他国戦。 意…意図。
(8) 嗚呼人魂焉来。 来…「来[き]たる」と訓読する。「来[く]る」とは読まない。

 

練習問題4:次の書き下し文を、疑問副詞を含む漢文に復元してみよう。

(1) 我何の面目ありてか之に見[まみ]えんや。
(2) 嗚呼我何れの日にか死するを得ん。
(3) 神何の故に人を造る。
(4) 国王焉くんぞ民を虐げて之を愉[たの]しむ。
(5) 侵略の将豈に財を見て之を掠[かす]めざらんや。 掠[かす]む…掠奪する。
(6) 倭人何為れぞ其の王を怨まざる。
(7) 汝何の恨みありてか之を討たんと欲する。
(8) 汝焉くにか之を捕ふる。

 

練習問題5:次の漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1) 始皇帝陵内有何財。 内[ない]…中。内側。
(2) 富豪有何憂。
(3) 此古人罪也今之倭国有何罪。
(4) 此文有何誤。

 

練習問題6:次の書き下し文を、漢文に復元してみよう。

(1) 畜獣の類に何の悩み有らんや。
(2) 宇宙の涯[はて]に何物か有る。 涯…果て。終わり。
(3) 大陸の崖[かぎ]りに何の国か有る。 崖…涯と同じ意味。
(4) 我常に最善を為すに、我に何の咎[とが]有らんや。

練習問題1・2の解答

 練習問題1・2の解答は下の通りです。

 

練習問題1:次の疑問倒置を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)  今無一人帰我誰与帰。
解答:
訓読:今一人の帰る(もの)無きに、我誰と与にか帰らんや。
翻訳:今一人の帰るものもいないのに、私は誰と帰ろうか、いや、誰とも帰らない。

 

(2) 嗚呼罪人我当何以罰之。
解答:
訓読:嗚呼罪人我当に何を以て之を罰すべき。
翻訳:ああ、罪人は、私はなにでもってこれ(=罪人)を罰するべきであろうか。

解説:これはまだ習ってませんが「主題-主語-他動詞-之」の文型。主題=之という関係です。本来「主語-他動詞-目的語」だったものが、目的語を主題として文頭に置きたいために「目的語-主語-他動詞-之」という語順になってしまったのです。詳しい話は多分そのうちやります。倒置の一種ですので。

 

(3)  汝何自知之。
解答:
訓読:汝何れより之を知る。
翻訳:お前はなにからこれを知ったのか。

 

(4) 嗚呼今日聖人安在。
解答:
訓読:嗚呼 今日聖人安くにか在る。
翻訳:嗚呼、今日[こんにち]聖人はどこにいるだろうか、いや、どこにもいない。。

 

練習問題2:次の書き下し文を、疑問倒置を起こした漢文に復元してみよう。

(1) 嗚呼我に友無し、誰と此の歓びを共にせん。 〜を共にす[他動詞]
解答:嗚呼我無友、誰与共此歓。
補足:これ、問題文の方が間違ってましたね。「誰と此の歓びを共にせん」は、正しくは「誰と与にか此の歓びを共にせん」と訓読すべきでした。申し訳ない。

 

(2) 汝能く何をか為す。
解答:汝能何為。

 

(3) 王 何れの子をか以て王と為さんと欲する。
解答:王欲何子以為王。

 

(4) 古王の墳[はか] 焉[いづ]くにか在る。
解答:古王之墳焉在。

練習問題3・4の解答例

 練習問題3・4の解答は以下の通りです。

 

練習問題3:次の疑問副詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1) 汝安不我告其事。
解答:
訓読:汝安くんぞ我に其の事を告げざる。
翻訳:お前はどうして私にその事を告げなかったのか。

 

(2) 至今我何不之聞。
解答:
訓読:今に至るまで我何ぞ之を聞かざる。
翻訳:今に至るまで私はどうしてこれを聞かなかったのだろうか。

 

(3) 我率兵百人而今一人帰焉。我何顔見王也。 率…率[ひき]ゐる 見…見[まみ]ゆ。
解答:
訓読:我兵を率ゐること百人にして今一人焉[ここ]に帰る。我何の顏ありてか王に見えんや。
翻訳:私は百人兵を率いて今一人ここに帰った。私はどんな顔をして王に合おうか、いや、会うことなどできぬ。

 

(4) 嗚呼我何時得娶彼女。 娶…娶[めと]る。 彼女…彼の女。
解答:
訓読:嗚呼 我何れの時にか彼の女を娶るを得る。
翻訳:ああ、私はいつあの女をめとることができるのだろうか。

補足:「娶るを得る」のところは、「娶るを得ん」としても正解です。

 

(5) 愚王豈聞讒而不之信也。 讒[ざん]…讒言。告げ口。
解答
訓読:愚王豈に讒を聞きて之を信ぜざらんや。
翻訳:愚かな王がどうして讒言を聞いてこれを信じないだろうか、いや、信じてしまうだろうさ。

解説:「信じる」は古語では「信ず」が終止形。そして未然形は「信ぜ」となります。打消形は「信じず」ではなく「信ぜず」となる点は注意しましょう。結構忘れますこれ。

 

(6) 汝何為怨祖国。
解答
訓読:汝何為れぞ祖国を怨む。
翻訳:お前はどうして祖国を怨むのだ。

解説:古文としての「怨む」は、「うらみず-うらみたり-うらむ-うらむるとき-うらむれば-うらみよ」と活用しますが、漢文としての「うらむ」は現代標準語と同じように「うらま-ず うらみたり うらむ うらむとき うらめども うらめ」と活用します。漢文と古文で活用が微妙に違う語があるというのは結構やっかいですね。

 

(7) 王何意常与他国戦。 意…意図。
解答
訓読:王何の意ありてか常に他国と戦ふ。
翻訳:王よ、どんな意図があっていつも他国と戦うのです?

 

(8) 嗚呼人魂焉来。 来…「来[き]たる」と訓読する。「来[く]る」とは読まない。
解答
訓読:嗚呼 人の魂焉くより来たる。
翻訳:ああ、人の魂とはどこから来るのだろうか。

 

練習問題4:次の書き下し文を、疑問副詞を含む漢文に復元してみよう。

(1) 我何の面目ありてか之に見[まみ]えんや。
解答:我何面目見之也。

 

(2) 嗚呼我何れの日にか死するを得ん。
解答:嗚呼我何日得死。

 

(3) 神何の故に人を造る。
解答:神何故造人。
補足:「何の故に」と読んじゃいましたが、学校などによっては「何の故に」と読ませるかもしれません。その辺は学校や所属研究室の方針に従ってください。

 

(4) 国王焉くんぞ民を虐げて之を愉[たの]しむ。
解答:国王焉虐民愉之。

 

(5) 侵略の将豈に財を見て之を掠[かす]めざらんや。 掠[かす]む…掠奪する。
解答:侵略之将豈見財(而)不之掠也。

 

(6) 倭人何為れぞ其の王を怨まざる。
解答:倭人何為不怨其王。

 

(7) 汝何の恨みありてか之を討たんと欲する。
解答:汝何恨欲討之。

 

(8) 汝焉くにか之を捕ふる。
解答:汝焉捕之。

練習問題5・6

練習問題5・6の解答は以下の通りです。

 

練習問題5:次の漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1) 始皇帝陵内有何財。 内[ない]…中。内側。
解答
訓読:始皇帝陵の内 何の財か有る。
翻訳:始皇帝陵の内側にはどんな財宝があるのか。

 

(2) 富豪有何憂。
解答:
訓読:富豪何の憂い有らんや。
翻訳:富豪にどんな心配事があろうか、いや、なかろう。

解説:文脈的に反語にしましたが、疑問として「何の憂いか有る」「何の憂いか有らん」としてもかまいません。その辺は解釈によって変わりますので。

 

(3) 此古人罪也今之倭国有何罪。
解答
訓読:此古人の罪なり。今の倭国に何の罪有らんや。
翻訳:これは昔の人の罪である。今の倭国にどんな罪があるのか、いや、ないはずだ。

解説:同じく反語として解釈したが故の「有らんや」です。疑問として解釈するなら「何の罪か有らん」とか「何の罪か有る」となります。

 

(4) 此文有何誤。
解答
訓読:此の文に何の誤りか有る。
翻訳:この文にどんな間違いがありますか?

 

練習問題6:次の書き下し文を、漢文に復元してみよう。

(1) 畜獣の類に何の悩み有らんや。
解答:畜獣之類有何悩。
解説:この文型では、反語だからといって最後に「也」の字をつけていいかわかりません。本サイトではとりあえずつけないことにしています。

 

(2) 宇宙の涯[はて]に何物か有る。 涯…果て。終わり。
解答:宇宙之涯有何物。

 

(3) 大陸の崖[かぎ]りに何の国か有る。 崖…涯と同じ意味。
解答:大陸之崖有何国。

 

(4) 我常に最善を為すに、我に何の咎[とが]有らんや。
解答:我常為最善我有何咎。

終わりに

 以上にて今回の練習問題解答は終わりです。

 

 ではまた今度。

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