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文法第十三:感嘆倒置

文法第十三感嘆倒置

 みなさん、こんにちは。

 

 今回は、超速理解漢文法 文法第十三「感嘆倒置」を勉強します。

感嘆倒置

 漢文では、感嘆文を作る際に、稀に「主語-述語-哉」が「述語--主語-()」の語順に変化することがあります。

 

 今、これを感嘆倒置と命名します。

 

 感嘆倒置の文型は、以下のようになります。まぁ決まった型なので、軽く暗記してしまいましょう。

 

本来の文型:主語-述語-

倒置の文型:述語--主語-()

訓読:述語かな、主語や。

説明:この場合の文末の「也」は、主題を提示する「は」に当たる言葉です。本当は感嘆倒置以外でも使われることはあるのですが、稀なので当サイトの漢文としては感嘆倒置以外では採用しておりません。悪しからず。

 

 以下、具体例を見ていきましょう。今回のは上に示した文型通りなので、特に説明はしません。太字が主語、下線部が述語となっています。構造を上の型と見比べて、各自倒置現象を確認していってください。

 

例1:

本来:我国王愚鈍

倒置:愚鈍我国王

倒置訓読:愚鈍なるかな、我が国の王や。

倒置訳:愚鈍だなぁ、私の国の王は。

 

例2:

本来:倭人知礼

倒置:知礼倭人

倒置訓読:礼を知るかな、倭人や。

倒置訳:礼儀を知っているなぁ、倭人は。

 

補足1ちなみに、述語を修飾する副詞や前置詞句があるときは、以下のような構造となります。

 

 

本来の文型:主語-(助動詞・述前副詞・述前前置詞句)-述語-(文尾前置詞句)-

倒置の文型:倒置の文型:(助動詞・述前副詞・述前前置詞句)-述語-(文尾前置詞句)--主語-()

 

 まぁ要するに、感嘆倒置とは主語を文末に持ってくる倒置なのですよ。ただそれだけです。

 

例1:

本来:今之少年於倫

倒置:於倫今之少年

倒置訓読:倫[みち]に明るからざるかな、今の少年や。

倒置訳:人倫に明るくないなぁ、今時の若い子は。

語釈:明於〜 〜に詳しい、の意。

 

例2:

本来:我国之王以法善治国

倒置:以法善治国我国之王

倒置訓読:法を以て善く国を治むるかな、我が国の王や。

倒置訳:法でもって上手に国を治めるなぁ、我が国の王は。

 

練習問題1:次の感嘆倒置を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)   嗚呼偉哉古之聖王。

(2)   大哉中国。

(3)   美麗哉我之妻也。

(4)   善治国哉彼賢王也。

 

練習問題2:次の書き下し文を、感嘆倒置を起こした漢文に復元してみよう。

(1)   哀れむべきかな、此の嬰児や。

(2)   未だ丈夫と謂ふに足らざるかな、我が子や。

(3)   長久なるかな、人の生や。 人の生→今回は、「人之生」としておきます。

(4)   嗚呼実に道に暗きかな、此の豎子や。

語釈:嬰児[えいじ]…幼い子供。 丈夫[ぢゃうぶ]…立派な大人の男。 暗い…疎い。 豎子[じゅし]…子供。がき。小僧。

 なお、「人之生」は実は「人生」でも全く問題ありません。単に語数的な問題で「之」にしたかっただけです。文法上はどちらも正しいです。

 

補足2:補語の倒置

 感嘆倒置は、「主語-述語-哉」→「述語-主語-哉」が原則です。

 

そして、「補語のある文」の場合は倒置することはありません(正確には、私は見たことがない、ですが。文法書など探してもその構造の感嘆文にはお目にかかれませんでした)

 

 但し、「久」「甚」だけは、一種の慣用表現として倒置します。

 

すなわち、「主語-述語-補語-。」→「補語--主語-述語。」という、補語を文頭に持ってくる倒置構造を成すことがあるのです。

 

 その場合、訓読は「補語かな主語の述語こと。」と読みます。

 

例1

本来:我不汝夢

倒置:我不汝夢

倒置訓読:久しきかな我の汝を夢みざること

倒置訳:久しいなぁ、私がお前を夢にみなくなってから。

 

例2

本来:民恨其王

倒置:民恨其王

倒置訓読:甚だしきかな民の其の王を恨むこと

倒置訳:甚だしいなぁ、民が自分の王を恨むことといったら。

 

練習問題3:次の感嘆倒置を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)   久哉我不帰郷。 帰郷…郷[さと]に帰る。

(2)   久哉我国之王為暴君。 為〜…〜と為[]る。「〜となる」の意。

(3)   甚哉民恨其王。 其…ここでは、「民の」。つまり、「自分たちの」。

(4)   甚哉王不信臣。 臣…臣下。

 

練習問題4:次の書き下し文を、感嘆倒置を含む漢文へと復元してみよう。

(1)   久しきかな、万国の相ひ争ふこと。

(2)   久しきかな、年少の年輩を敬わざること。

(3)   甚だしきかな、男の其の子を罵ること。

(4)   甚だしきかな、嬰児の哭くこと。 哭[]く…声をあげて泣く。

 

終わりに

 以上にて、漢文の感嘆倒置の勉強は終わりです。

 

 ではまたこんど。

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