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文法第七:終助詞

超速理解漢文法文法第七:終助詞

 みなさん、こんにちは。

 

 今回は、漢文法第七回ということで、終助詞について勉強します。

 

 当サイトでいう終助詞とは、いわゆる語気助詞のこととお考え下さい。

漢文の終助詞概説

 私の言う漢文の終助詞とは、まぁいわゆる「語気助詞」のことです。日本語の「終助詞」と同じような働きなので、当サイトとしては終助詞と呼んでいます。

 

 終助詞は、文末に添えて微妙なニュアンスを付け加える言葉です。今、基本文型に挿入する形で説明すると以下のようになります。

 

文型:主語-述語-終助詞

 

漢文の終助詞には、「[〜なり]」「[〜のみ]」「[置字]」「[〜か]」「[〜や否[いな]]」「[〜や未[いま]だしや]」「[置字]」「[かな]」等があります。

 

 因みに、述語の後ろに置くものとしては前置詞句・補語もありましたね?終助詞とこの二つとが同時に存在する場合には、どうすればよいのでしょうか?

 

 答えは、以下のようになります。

 

主語-述語-前置詞句-補語-終助詞

 

 まぁつまり、前置詞句>補語>終助詞の順に前に来るわけです。優先順位がしっかりしてるので、作文などでも迷う心配はありませんよ。

 

 ともあれ、具体的に例を見て行きましょうか。

具体例

例1:()知倭国(「主語-(副詞)-述語-終助詞)

訓読:王 倭国を知ら(ざる)なり

訳:王は倭国を知ら(ない)のだ

説明:ご覧の通り、「也」は「〜のだ」「〜のである」の意味です。また、「主語-名詞-也」で、「主語は名詞である」の意味をも表します。これは第一課で習いましたね。

 

例2:時経()(三年)(「主語-述語-()-(補語)-終助詞)

訓読:時経る(こと已に)(三年なり)

訳:時間は(すでに)(三年)経った。(このように、「矣」の字は訳に反映されないことが多々あります。「矣」は完了や命令などの語気を表すのですが、それらの意味は漢文では、「矣」無しでも文脈で勝手に補われてしまいますからね。実質、「矣」の有無によって訳や訓読の違いが出て来ることはないのであります。)

 

例3:(嗚呼)無道()認罪((感動詞)-主語-(副詞)-述語-終助詞)

訓読:(嗚呼)無道罪を認め(ざる)かな

訳:(ああ)道徳のない奴は罪を認め(ない)なぁ

 

例4:(是以)我教人仁((接続詞)-主語-述語-終助詞)

訓読:([ここ]を以て)我人に仁を教ふるのみ

訳:(こういうわけで)私は人に仁を教えるのだ

説明:「耳」は、訓読通り、限定「〜のみ」の意味を表すこともありますが、論説の結論などを強い口調で断定する際にも用いられます。その際には、意味は「〜のだ」「〜のである」となります。

 

例5:(嗚呼)我国使民殺人((感動詞)-主語-述語[=兼語動詞-目的語-述語]-終助詞)

訓読:(嗚呼)我が国民をして人を殺さしむる

訳:(ああ)我が国は民に人を殺させるのか

 

例6:(至今)()無一人帰((前置詞句)-(副詞)-述語[=兼語動詞-目的語-述語]-終助詞」。この文、動詞「無」の主語が省略されている)

訓読:(今に至るまで)(終に)一人の帰る無し。

訳:(今に至るまで)(とうとう)一人として帰るものはいないのである(本当は「焉」の字は、訳す必要すらあまりなかったりします。)

説明:「焉」は、もともとは「於此」を省略した言葉でした。なので原義は「ここに」とか「これに」でした。が、後に一つの終助詞となり、断定の意味を表すに至りました。とはいえ、訓読や日本語訳には基本反映されません。何故かって?「伝統だから」。わざわざ訳出してる人、あまり見た記憶ありませんね。なお、「焉」はしばしば原義の意味「ここに」を含むことがありますので、原義で意味が通る場合はそちらで訓読・訳出しても問題ありません。

練習問題

練習問題1:次の終助詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)村人遂令男去於村焉。

(2)我不夢子三年矣。 夢…訓「〜を夢みる」。子…訳「息子」

(3)桜花咲未。 未…訓「〜や未だしや」 訳「〜かまだなのか。」

(4)王已知之否。 否…訓「〜や否や」 訳「〜かどうか」。

 

練習問題2:次の書き下し文を、終助詞を含む漢文へと復文してみよう。

(1)我も亦た一村民なるのみ。

(2)嗚呼我が王 異郷に死するか。

(3)嗚呼無道諭すべからざるかな。 無道…道徳のない人。

(4)王皆須らく常に下に威あるべきなり。 威あり…「威」。自動詞。

参考:実際の漢文に出て来るその他の終助詞

漢文の終助詞には、その他「邪」「歟」「与」「爾」などがあります。

 

「邪」「歟」「与」の三者は終助詞「乎」と同じ意味に使われる言葉。「爾」は終助詞「耳」と同じ意味に使われます。

 

漢文は同義の終助詞がやたらに多いのですが(特に古代)、漢文を体系的に覚えたり、漢作文をしたりといった際には、バリエーションが多すぎるのも困りものです。

 

なので、当サイトでは、同義の終助詞に関しては、よく使われる一字のみを採用して代表字となし、残りは「同義としてこんなのもあるよ」と示す程度にとどめています。

 

なお、個人的な話ですが、…特に、私はいかに正確でかつ簡潔な漢作文ができるようになるか、という点に主眼を置いてテキストを作成しているので、漢文を難解たらしめている同義語且つ同訓読の類は邪魔で仕方がなかったりします。

 

 漢作文とかする際は、変に奇を衒って多義解釈可能な難解漢文にするのではなく、素朴にして簡明という、漢文が本来持っていたはずの言語的特徴を生かすことをお勧めします。

おわりに

 以上にて、今回の漢文法の勉強はおしまいです。

 

 それでは今回はこの辺で。ごきげんよう。

 

 

 

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