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 以下、超速理解漢文法を書き始めた理由などが述べられている、いわゆる序文です。昔作ったやつで、擬古漢文で書いています。せっかくなので掲載はしておきますが、別によまなくてもいいです。時間があるときにでも、読んでみてください。せっかくなので書き下し文と、簡単な日本語訳も作っときました。

 

凡言語有文法皆依之成也漢文亦如斯然而今之日本教漢文時唯伝其特殊語彙終不授漢文之本我甚怪之使習言語而不示其法何也我為学生之時因之疑漢文本無文法故学校終不使学也然於今我能断此説非也漢文実亦有文法但日本教育機関皆以之為古典而不以為一言語耳嗚呼知言語而不知其法誰能真解其文動於其詩日本既以漢文為自国所有古典之一令其民子女誦漢人所記史詩之類故雖非同朋所書蓋已有人惹於其史詩而不知其法唯嘆己不至往時之我亦如斯耳読其文而自不解其意是何其可悔也今臣伏著超速理解漢文法欲以漢文為一言語詳其法仔細以寄与好学之志耳拙著超速理解漢文法四分漢文法為文法句法詞法語法四者文法文之法則句法句之法則詞法詞之法則語法語之法則也故拙著所謂文法者蓋与俗之所謂文法不必合致凡世之所謂文法者皆包括文句詞語也故臣伏請読者拠拙著学漢文之時勿忘所用之言与世俗不必同也

 

序の書き下し文の例

凡そ言語に文法有り、皆之に依りて成るなり。漢文も亦た斯くの如し。然り而うして今の日本漢文を教ふる時、唯だ其の特殊語彙を伝ふるのみにして、終に漢文の本を授けず。我甚だ之を怪しむ。言語を習はしめて其の法を示さざるは何ぞや。我学生たりし時、之に因りて疑ふ、「漢文本より文法無し、故に学校終に学ばしめざるなり。」と。然れども今我能く此の説の非なるを断ず。漢文実に亦た文法有り、但だ日本の教育機関皆之を以て古典と為し、一言語と為さざるのみ。嗚呼言語を知りて其の法を知らざるに、誰か能く真に其の文を解し、其の詩に動かんや。日本既に漢文を以て自国の有つ所の古典の一と為し、其の民の子女をして漢人の記す所の史詩の類を誦へしむ、故に同朋の書する所に非ざると雖も、蓋し已に人の其の史詩に惹かるるも其の法を知らず唯だ己の至らざるを嘆く有り。往時の我も亦た斯くの如し。其の文を読みて自ら其の意を解せざる、是れ何ぞ其れ悔ゆべきや。今臣伏して超速理解漢文法を著し、漢文を以て一言語と為して其の法の仔細を詳らかにし、以て好学の志に寄与せんと欲す。拙著超速理解漢文法は漢文の法を四分して文法・句法・詞法・語法の四者と為す。文法とは文の法則、句法とは句の法則、詞法とは詞の法則、語法とは語の法則なり。故に拙著の謂ふ所の文法なる者は蓋し俗の謂ふ所の文法とは必ずしも合致せず。凡そ世の謂ふ所の文法は文・句・詞・語を包括すればなり。故に臣伏して請ふらくは読者拙著に拠りて漢文を学ぶの時、用ふる所の言と世俗とは必ずしも同じからざるを忘るること勿からんことを。

序の日本語訳の例

一般に、言語には文法があり、(言語は)皆これに依って成立している。漢文もまたそうである。然しながら今の日本は漢文を教える時、唯その特殊な語彙を伝えるばかりで、最後まで漢文の本質を享受することがない。私は甚だこれを奇怪に思う。言語を習わせておきながら、そのルールを示さないとは、どういうことなのか。私は学生であったころ、これがために漢文にはもとより文法は無く、それ故学校も最後までこれを学ばせないのではないかと疑っていた。しかし今、私はこの説が間違いであることを断定することができる。漢文にもその実文法は存在している。ただ日本の教育機関は皆これを古典と見なすばかりで、一言語としてみなさなかっただけである。ああ、言語を知りながらその法則を知らないというのに、誰が真にその文を理解し、その詩に心を動かされることがあろうか。日本は既に漢文を自国の古典の一つとみなし、その国民の子女に漢人の記した歴史書・詩歌の類を読ませている。故に同胞の書いたものではないとはいえ、おそらくはすでにその歴史書・詩歌に惹きつけられながらも、その法則を知らないために、ただ己の至らざるを悲嘆するものもあるだろう。嘗ての私もそのようであった。その文を読みながら自らその意味を理解することがないというのは、これ、なんと悔しきことか。今私は伏して超速理解漢文法を著し、漢文を一つの言語とみなしてその文法の仔細を詳らかにし、それを通じて好学の志を持つものに寄与しようと思う。拙著超速理解漢文法は、漢文法を四つに分け、文法・句法・詞法・語法の四者としている。文法は文の法則、句法は句の法則、詞法は品詞の法則、語法は単語の法則である。故に拙著の謂う所の文法とは、おそらくは一般に謂うところの文法とは必ずしも合致しない。凡そ世間の謂うところの文法は文・句・詞・語を包括しているからである。故に私は読者に、拙著に従って漢文を学ぶ時は使われている言葉と世俗のとは必ずしも同義でないのだということを忘れぬよう、伏して請う次第である。

まぁ具体的な勉強は次回からやります。

 

それではまた、ごきげんよう。

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