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文法第六練習解答

文法第六練習解答

 みなさん、こんにちは。

 

 今回は、前回の練習問題の解答となります。

練習問題確認

 まずは、練習問題の確認です。

 

練習問題1:次の使役動詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)王与賊刀速自害。
(2)我妻欺我売家田於男。
(3)神使我苦如斯。 如斯…[補語]斯[か]くの如[ごと]し。このようだ。
(4)百姓皆令其子耕田。
(5)我能使濁水可飲。
(6)此書使我能至真理。

 

練習問題2:次の使役動詞を含む書き下し文を、漢文へと復文してみよう。

(1)昔者[むかし]我が国も亦た少年をして異国に出征せしむ。
(2)父嘗て我に教へて書を机上より盗らしむ。
(3)村人 之に説きて速やかに去らしむ。
(4)王 壮年をして常に国境を衛らしむ。
(5)此の事 我をして彼の国を寇[あだ]せんと欲せしむ。 寇…寇[あだ]す。侵略して害をなす。
(6)王 城を築きて以て東夷の寇に耐ふべからしむ。 東夷の寇…東夷之寇

練習問題1・2の解答

 次は解答ですね。

 

 解答は、以下の通りとなります。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

練習問題1:次の使役動詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)王与賊刀速自害。
解答
訓読:王 賊に刀を与へて速やかに自害せしむ。
翻訳:王は賊に刀を与えて速やかに自害させた。

 

(2)我妻欺我売家田於男。
解答
訓読:我が妻 我を欺きて家田を男に売らしむ。
翻訳:私の妻は私を欺いて家田を男に売らせた。

 

(3)神使我苦如斯。 如斯…[補語]斯[か]くの如[ごと]し。このようだ。
解答
訓読:神 我をして苦しましむること斯くの如し。
翻訳:神は私をこのように苦しませる。

説明:補語「如斯」を「苦」だけ修飾すると考えれば、訓読は「神 我をして苦しむこと斯くの如きならしむ」としてもいいかもしれません。が、そういう訓読は目下見た記憶がないので、当サイトでは採用いたしません。「使役動詞+目的語+述語+補語」なら、当サイトでは、「目的語」は「使役動詞+目的語+述語」を修飾するものとみなします。

 

(4)百姓皆令其子耕田。
解答
訓読:百姓皆其の子をして田を耕さしむ。
翻訳:人民はみな自分の子に田んぼを耕させた。

説明:言い忘れてましたが、漢文の「百姓」は庶民、人民という意味です。日本語の百姓=農民とは違いますのでご注意ください。

 

(5)我能使濁水可飲。
解答
訓読:我能く濁水をして飲むべからしむ。
翻訳:私は濁り水を飲めるようにすることができる。

説明:訳しづらいですが、「濁水可飲」は「濁水は飲むことができる」という意味。その前に使役動詞「使」があるので、「できさせる」すなわち「できる状態にさせる」=「できるようにする」で「飲むことができるようにする」=「飲めるようにする」という綺麗な意訳が出来上がります。

 

(6)此書使我能至真理。
解答
訓読:此の書 我をして能く真理に至らしむ。
翻訳:この書物は、私が真理に至れるようにしてくれる。

説明:同じく訳しづらい文ですね。「我能至真理」は「私は真理に至ることができる」です。その前に使役の「使」があることから、「此書」が「我」をそういう状態にさせるということ。なので直訳は「この書物は、私を真理に至ることができるようにする。」という感じになるかと思います。

 

練習問題2:次の使役動詞を含む書き下し文を、漢文へと復文してみよう。

(1)昔者[むかし]我が国も亦た少年をして異国に出征せしむ。
解答1:昔者我国亦使少年出征(於)異国。
解答2:昔者我国亦令少年出征(於)異国。
説明:「於」はあってもなくてもいいです。移動地点や授与動作を表す際の目的語を表すための「於」は、漢文では基本あってもなくてもいいものですからねぇ。文の語呂次第で任意で付けたり付けなかったりです。

 

(2)父嘗て我に教へて書を机上より盗らしむ。
解答:父嘗教我盗書(於)机上。
説明:同じ理由で、「於」はあってもなくてもいいです。なお、「教」はこの場合、「教唆」すなわち「唆す」の意味合いでとった方がいいかもしれません。なお、「盗[と]らしむ」は、漢文としては「盗[ぬす]ましむ」と読むべきかもしれません。

 

(3)村人 之に説きて速やかに去らしむ。
解答:村人説之速去。

 

(4)王 壮年をして常に国境を衛らしむ。
解答1:王使壮年常衛国境。
解答2:王令壮年常衛国境。
説明:今更ですが、「衛」は「防衛」の意味。すなわち「まも-る」と訓読します。

 

(5)此の事 我をして彼の国を寇[あだ]せんと欲せしむ。 寇…寇[あだ]す。侵略して害をなす。
解答1:此事使我欲寇彼国。
解答2:此事令我欲寇彼国。

 

(6)王 城を築きて以て東夷の寇に耐ふべからしむ。 東夷の寇…東夷之寇
解答1:王築城以使可耐東夷之寇。
解答2:王築城以令可耐東夷之寇。

練習問題3・4の解答

 お次は練習問題3・4の解答です。

 

 解答は、以下の通り。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

練習問題3:次の存在動詞を含む漢文を、訓読・翻訳してみよう。

(1)道中有人招我於家。 招…招[まね]く。
解答
訓読1:道中に人有り我を家に招く。
訓読2:道中に人の我を家に招く有り。
翻訳1:道中に人が現れ、私を家に招いた。
翻訳2の1:道中に人で私を家に招くものが現れた。
翻訳2の2:道中に私を家に招く人が現れた。

 

(2)倭国有邪馬台国以一女為王。 以〜為…→〜を以て…と為す。〜を…にする。
解答
訓読1:倭国に邪馬台国有り一女を以て王と為す。
訓読2:倭国に邪馬台国の一女を以て王と為す有り。
翻訳1:倭国には邪馬台国があり、一人の女性を王にしている。
翻訳2の1:倭国には邪馬台国で一人の女性を王にしているものがある。
翻訳2の2:倭国には一人の女性を王にしている邪馬台国がある。

説明:正直翻訳2は無理があると感じますね。基本的に、「有-目的語-述語」の文というのは、目的語部分が漠然としたものであることが多いです。後ろの述語というのは、つまりはその漠然としたものに更に情報を付け加える役割を果たすものですからね。今回みたいに漠然としたものでないものが目的語となっている場合には、訓読1の「倭国有邪馬台国、以一女為王。」のように、「A有目的語、述語」の複文として解釈した方がすっきりします。

 

(3)今此無人能教人兵法。 此…此[ここ]。 兵法…戦い、戦争の方法のこと。
解答
訓読:今此に人の能く人に兵法を教ふる(もの)無し。
翻訳1:今ここには人で人に兵法を教えることができるものがいない。

翻訳2:今ここには人に兵法を教えることができる人がいない。

 

(4)王今無臣敢忠言。 敢…敢[あ]へて。 忠言…忠告。
解答
訓読:王に今臣の敢へて忠言する(もの)無し。
翻訳1:王には今、家臣で敢えて忠告するものがいない。
翻訳2:王には今、敢えて忠告する家臣がいない。

 

練習問題4:次の書き下し文を、存在動詞を含む漢文へと復文してみよう。

(1)道に童女有り我に酒を売らんと欲す。
解答:道有童女欲売我(於)酒。
説明:「於」はあってもなくても正解です。

 

(2)我が子に心の人を哀れむ無し。
解答:我子無心哀人。
説明:訓読だけ見ても意味不明な文ですが、漢文に直すと意味が分かります。「我が子に心無し。」どんな心?「人を哀れむ。」ゆえに、「我が子には人を哀れむ心が無い」ということを言っているのですね。兼語動詞が「無」である場合、稀にこのように名詞修飾で訳さないと意味が通らないものもありますので、その時は観念して名詞修飾の訳にしましょう。訓読が意味不明なのは仕方ありません。だってそういう風に訓読するルールですし。訓読も万能じゃないってことですね。

 

(3)倭国に嘗て狼有り鹿猪を諸山に食らふ。 諸…諸[もろもろ]の。
解答:倭国嘗有狼食鹿猪(於)諸山。

 

(4)今日我が国に臣の敢へて王を諌むる無し。
解答:今日我国無臣敢諌王。

おわりに

 以上で答え合わせはおしまいです。

 

 それでは、今回はこの辺で。ごきけんよう。

 

 

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